ホイットルセーの農業の類型区分
農業の類型区分です。
農業の類型区分は、
アメリカの地理学者ホイットルセー
(1890~1956)が
20世紀になって始めました。
自給的農牧業
原始的農牧業

移動式焼畑農業
山林原野を焼き、草木灰を肥料とします。
あわ、キャッサバ、タロイモなど。
アフリカのコンゴ盆地や
アマゾン川流域・ニューギニア高地など。
原始的定着農業
住居を固定した焼畑農業。固定式焼畑農業とも。
ひえ・あわなどの自給的作物と、
らっかせい・カカオなどの換金作物を
組み合わせているのが特徴。
東南アジア・アフリカ中部・ギニア湾沿岸・アンデス山地・中央アフリカなど。
遊牧

家畜とともに牧草を求めて移動します。
(ゲル・パオなどの移動式テント)
乾燥地では、羊・山羊、
寒冷地ではトナカイが一般的です。
ユーラシア・北アメリカ大陸北部の
ラップ人やエスキモー人、イヌイット人など。
オアシス農業
乾燥地帯で行われる農業です。
主にナツメヤシや小麦・綿花・果実などを育てています。

アジア式農牧業

アジア式稲作農業
夏の高温多雨を利用。
灌漑施設が重要。自給的。
アジア式畑作農業
米作不可能な地域。
インド北西部のパンジャブ、
中国の東北・華北、インドシナ
商業的農牧業

混合農業
小麦・ライ麦・じゃがいもなどの栽培と、
牛・豚などの飼育。
酪農
牛・羊・馬などを大規模に放牧、換金が目的。
園芸農業
新鮮な野菜・果実・草花を年へ、
大都市近郊、気候、温暖・冷涼な地域。
地中海式農業
夏に乾燥に強い柑橘類・オリーブ・ぶどう。
冬に小麦・大麦・・なども栽培。
企業的農牧業
企業的穀物農業
(商業的穀物農業)とも。

大規模経営による小麦の栽培。
大型機械を導入し、換金が目的。
企業的牧畜業

冷涼な地域に多い。乳牛の飼育、牛乳、酪農製品の生産。
プランテーション
大資本と安価な労働力。
参考)ホイットルセーの論文
Derwent Whittlesey (1936)
Major Agricultural Regions of the Earth, Annals of the Association of American Geographers, 26:4, 199-240, DOI
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