一口に農業といっても、
田んぼでお米を作るとか、
牧場で鶏を飼うとか、
いろいろありますよね~。
そんな農業の類型区分、言い換えるとパターンを作るために必要な条件、
それが農業の立地条件です。どこにどんな農業地域が発生するのか、
チューネンの『孤立国』
チューネンという学者が、その後の学問に大きな影響を与えた著書『孤立国』で、
農業立地論を唱えました。
何を作るかは気候風土に影響されるけれど、
どんな農業経営をするかは、市場との距離で決まる!と主張しました。
では、どう決まるのでしょうか。
粗放的というのは、
という意味で、放ったらかし、大雑把であるということ。血液型占いでいうとO型っぽい感じですね。
集約的というのは、その反対。
とのことです。
つまり、狭い土地に多くの費用や労働力を集中して投下すること。
そうすることによって、生産を高めていくという方法が、
集約的農業です。
さらに言えば、
労働力=手間を多くかけたら労働集約的
です。
生産性とは?
生産性とはどういうことなのか、も説明しておきます。
労働生産性
単位労働時間あたりの生産量の大きさのことです。
労働生産性が高いということは、
少ない人数で多くの農産物を作れるということです。
たとえば、手作業でやるより機械でやる方が、
1人で多くの田畑を耕すことができるようになります。
土地生産性
単位面積(aとか反とか)あたりの土地生産力の大きさのことです。
狭い土地から多くの農産物が収穫できれば、
その土地は土地生産性が高いということがいえます。
小まとめ
一般的に次のことがいえます。
(金をかけたら、あまり働かなくても収量が多い)
労働集約的ならば、土地生産性が高い
(よく働いたら、よく穫れる)
「園芸」と「農業」の違い
園芸と農業はどうちがうのか、今まで考えたことありますか??
それぞれの英語を見てみましょう。
- 園芸(Horticulture)
- 農業(Agriculture)
これらの違いはHortiとAgriの部分です。
Hortiは古代ギリシアで城壁内を意味します。
Agriは古代ギリシアで城壁外を意味します。
つまり、城壁の内側で行われている作物栽培は園芸であります。
園芸の園という字も柵にかこまれた「くにがまえ」で作られていますね。
つまり、城壁の外側で仮に作物栽培が行われていたらそれは農業なのです。
農業はもともと城壁外→密度が低く遠い→粗放的
『孤立国』のモデル
チューネンの孤立国です。
横軸に市場からの距離、
縦軸に地代をとったグラフを用いて解説します。
この「地代」は、
農業収益から考えて、
どれくらいのお金を、
その土地に払えるか?
というものです。
つまり、その農業から得られる
収益の高低を表します。
都市に近いと、集約的な農業を行い、
都市から遠いと、粗放的な農業を行う。
「孤立国」による農業立地のモデルですが、
21世紀現在では状況変化しています。
しかし、基本的な構造は同じです。
市場からの距離が農業を決めます。
参考文献
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