PR
スポンサーリンク

農業の立地条件と立地論

スポンサーリンク
世界の農業地域、林業・水産業
この記事は約4分で読めます。
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

一口に農業といっても、
田んぼでお米を作るとか、
牧場で鶏を飼うとか、
いろいろありますよね~。

そんな農業の類型区分、言い換えるとパターンを作るために必要な条件、
それが農業の立地条件です。どこにどんな農業地域が発生するのか、

スポンサーリンク

チューネンの『孤立国』

チューネンという学者が、その後の学問に大きな影響を与えた著書『孤立国』で、
農業立地論を唱えました。

農業を、経営の形態で区別するなら、市場との距離が必要である。

何を作るかは気候風土に影響されるけれど、
どんな農業経営をするかは、市場との距離で決まる!と主張しました。

では、どう決まるのでしょうか。

市場から遠ざかるほど、集約的土地利用から粗放的土地利用へと変化する。

粗放的というのは、

[名・形動]綿密でなく、あらっぽいこと。大まかでしまりがないこと。また、そのさま。「―な性質」https://kotobank.jp/word/%E7%B2%97%E6%94%BE-555207

という意味で、放ったらかし、大雑把であるということ。血液型占いでいうとO型っぽい感じですね。

集約的というのは、その反対。

  1. [名](スル)物事を整理して、一つにまとめること。「調査結果を―する」「反論はこの一点に―される」http://dictionary.goo.ne.jp/jn/104676/meaning/m0u/

とのことです。

つまり、狭い土地に多くの費用や労働力を集中して投下すること。
そうすることによって、生産を高めていくという方法が、
集約的農業です。

さらに言えば、

資本=お金を多くかけたら資本集約的
労働力=手間を多くかけたら労働集約的

です。

スポンサーリンク

生産性とは?

生産性とはどういうことなのか、も説明しておきます。

労働生産性

単位労働時間あたりの生産量の大きさのことです。

労働生産性が高いということは、
少ない人数で多くの農産物を作れるということです。

たとえば、手作業でやるより機械でやる方が、
1人で多くの田畑を耕すことができるようになります。

土地生産性

単位面積(aとか反とか)あたりの土地生産力の大きさのことです。

狭い土地から多くの農産物が収穫できれば、
その土地は土地生産性が高いということがいえます。

小まとめ

一般的に次のことがいえます。

資本集約的ならば、労働生産性が高い
(金をかけたら、あまり働かなくても収量が多い)
労働集約的ならば、土地生産性が高い
(よく働いたら、よく穫れる)

「園芸」と「農業」の違い

園芸と農業はどうちがうのか、今まで考えたことありますか??

それぞれの英語を見てみましょう。

  • 園芸(Horticulture)
  • 農業(Agriculture)

これらの違いはHortiとAgriの部分です。
Hortiは古代ギリシアで城壁内を意味します。
Agriは古代ギリシアで城壁外を意味します。

 

つまり、城壁の内側で行われている作物栽培は園芸であります。
園芸の園という字も柵にかこまれた「くにがまえ」で作られていますね。

つまり、城壁の外側で仮に作物栽培が行われていたらそれは農業なのです。

園芸はもともと城壁内→密度が高く近い→集約的
農業はもともと城壁外→密度が低く遠い→粗放的

『孤立国』のモデル

チューネンの孤立国です。

横軸に市場からの距離、
縦軸に地代をとったグラフを用いて解説します。

この「地代」は、
農業収益から考えて、
どれくらいのお金を、
その土地に払えるか?
というものです。

つまり、その農業から得られる
収益の高低を表します。

都市に近いと、集約的な農業を行い、
都市から遠いと、粗放的な農業を行う。

「孤立国」による農業立地のモデルですが、
21世紀現在では状況変化しています。

しかし、基本的な構造は同じです。
市場からの距離が農業を決めます

参考文献

[amazonjs asin=”4890852409″ locale=”JP” title=”山岡の地理B教室―大学受験地理 (Part2) (東進ブックス―気鋭の講師シリーズ)”]

[amazonjs asin=”454011204X” locale=”JP” title=”果樹園芸学の基礎 (農学基礎シリーズ)”]

コメント