今まで、




と、大地形の分類からはじまり、
- 安定陸塊
- 古期造山帯
- 新期造山帯
について見てきました。
今回は、大地形の分類ごとに特徴的に見られる
鉄や石炭、石油などの資源をみていきましょう。
安定陸塊と鉄鉱石の生産
安定陸塊とは?

鉄鉱石が安定陸塊でとれる理由
先カンブリア時代に安定陸塊はできました。
その時代にあらわれた、
光合成生物によって、
さかんに光合成が行われ、
酸素が生み出されました。
海洋中にあった鉄イオンと、
酸素イオンが結合し、
酸化鉄となって、
沈殿しました。
その結果、安定陸塊には、その時代に堆積した赤色の地層(縞状鉄鉱層(BIF))が
残っているために、鉄鉱石が産出されます。
鉄鉱石の産出国上位は、
どこも安定陸塊に属しています。
- オーストラリア(オーストラリア卓状地)
- ブラジル(ブラジル地塊)
- 中国(中国陸塊)
- インド(インド地塊)
- ロシア(ロシア卓状地とシベリア卓状地)
- 南アフリカ(アフリカ卓状地)
- ウクライナ(ロシア卓状地)
- アメリカ(ローレシア卓状地)
- カナダ(ローレシア卓状地)
- スウェーデン(バルト卓状地)
安定陸塊のその他の埋蔵資源
安定陸塊では、鉄鉱石のほかに
ボーキサイト、金鉱、ダイヤモンドなどの資源は多く埋蔵されています。
古期造山帯と石炭生産
古期造山帯とは?

石炭が古期造山帯でとれる理由
石炭は植物が地下に埋もれ、
長い年月をかけて炭化したものです。
古生代には石炭紀など、
この石炭の原料となる
巨大シダ植物が生い茂っていました。
炭化の進んだ
瀝青炭(れきせいたん)や無煙炭(むえんたん)は
古生代の地質から取れます。
というわけで、
古生代の造山運動でできた
アパラチア山脈やウラル山脈、
ドラケンスバーグ山脈、
グレートディバイディング山脈などの
古期造山帯で石炭が取れます。
石炭生産の上位国は、
- 中国(アルタイ山系)
- インド
- インドネシア
- アメリカ(アパラチア山脈)
- オーストラリア(グレートディバイディング山脈)
- 南アフリカ(ドラケンスバーグ山脈)
- ロシア(ウラル山脈)
- カザフスタン(ウラル山脈)
- コロンビア
- ポーランド(ズデーテン山脈)
もちろん例外もありますが、
実際に石炭上位国は古期造山帯にあることが多いです。
新期造山帯と石油生産
新期造山帯とは?

石油が新期造山帯でとれる理由
新期造山帯の周辺には、
油田が分布しています。
たとえば、
西アジアにはザグロス山脈(イラン)なども
新期造山帯の周辺に位置しています。
浅い海の底に泥とともに生物の遺骸が沈み、
その後、泥・砂が堆積し、
圧縮されると、泥岩や砂岩ができます。
その過程で、生物の遺骸から珪藻ケロジェンという
有機物が生成されます。
このケロジェンが熱作用を受けると、
熟成されて石油に転換されます。
油なので、水より軽いため、
上の方に移動するが、
地層が上向きに褶曲している
背斜部では石油が
浮いた状態で集まっています。
こういうところに
油田ができやすいです。
まとめ
- 安定陸塊では鉄
- 古期造山帯では石炭
- 新期造山帯では石油
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