民族を分類する際に、
最も重要な指標の1つが、
言語です。
ある民族の間で話される言語は、
その民族の間でコミュニケーションツールとして、
働きます。
そして、言語は、
「同じ民族である」という
連帯感を高めるために重要な役割を果たしています。
植民地支配をする際も、
何をするかといえば、
言語を奪います。

言語を奪うと、
民族の間で民族アイデンティティが消えてしまい、
民族浄化(他民族の殲滅)が完了してしまいます。
それぐらい民族における言語は重要です。
語族とは?
同一の言語から分かれていった
と考えられている
構造や語彙などが近い言語集団を
語族といいます。
語族の分類
語族には、
- インド=ヨーロッパ語族
- ウラル語族
- アルタイ語族
- アフロ=アジア語族
- ニジェール・コンゴ語族
- シナ=チベット語族
- オーストロアジア語族
- オーストロネシア語族
などがあります。
インド=ヨーロッパ語族
インド・ヨーロッパ語族は、
主に南アジアからヨーロッパにかけて話されている言語が
多く含まれます。
多くの語派に分類されます。
- ゲルマン語派
(英語・ドイツ語・オランダ語・スウェーデン語などヴァイキング系) - ラテン語派
(イタリア語・フランス語・スペイン語・ルーマニア語などローマ帝国住民系) - スラブ語派
(ロシア語・ポーランド語などロシア系) - バルト語派
- ケルト語派
(アイルランド語などケルト人の生き残り) - ギリシア語派
- アルメニア語派
- アルバニア語派
- インド・イラン語派
です。
ヨーロッパでゲルマン民族と呼ばれる人たちは、
ゲルマン語派の言葉を話す人たちです。
フィンランド等は次で話すとおり、
ウラル語族です。
関連過去リンク

ウラル語族とアルタイ語族
ウラル語族は、
フィンランド語・エストニア語・ハンガリー語などが属している語族です。
俗にアジア系言語と言われます。
アルタイ語族は、
トルコ語や中央アジアの諸言語、モンゴル語などが属している語族です。
かつては、
ウラル=アルタイ語族とされていましたが、
今は双方独立しています。
言語の分類は大変です。
西アジア~アフリカ系に分布する語族
アフロ・アジア語族
アフロ=アジア語族は、かつてセム=ハム語族と呼ばれていました。
西アジアから北アフリカにかけて分布する言語です。
- ヘブライ語
- アラビア語
- アムハラ語
などいわゆるセム語派と
ベルベル人が話すベルベル語
エジプト人が話すエジプト語など、
北アフリカ系の言語や
ナイジェリア一帯に分布する
ハウサ語などが含まれます。
ニジェール=コンゴ語族
アフリカのサハラ砂漠以南に見られる語族で、
イボ族、ヨルバ族、フラニ語など
主にナイジェリアの主要民族が話す言語や、
東アフリカで作られた民族間の公用語であるスワヒリ語、
南アフリカの英語とアフリカーンス語以外の公用語が属しています。
アジアから太平洋にかけての語族
シナ・チベット語族
シナと入っているから北京語や上海語、広東語などの
いわゆる中国語がシナ・チベット語族に入ります。
他にも、チベット語やタイ語、ラオ語、カレン語などが入ります。
オーストロアジア語族
- ベトナム語
- クメール語
- モン語
関連リンク
オーストロネシア語族
- マレー語
- インドネシア語
- タガログ語
- ポリネシア語
など
その他
- カフカス語族
- グルジア語
- チェチェン語
- ドラヴィダ語族
- タミル語
など
孤立言語
- 日本語
- アイヌ語
- 朝鮮語
- バスク語
など
日本語は日本語族という説もあり、
琉球語も琉球語派として、日本語派に便宜上含まれています。
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