人口の過密と過疎…
なぜ、人口には偏りがでるのでしょうか?
そんな研究を
アメリカの文化地理学者ゼリンスキーが研究しています。
栄える地域と衰退する地域は
なぜ、出てくるのでしょうか?
それでは見ていきましょう。
ゼリンスキーの疑問
ゼリンスキーは
「人間はなぜ地球表面で不均等に分布しているのだろうか?」
と疑問を持ちました。
- 過密
- 過疎
は、なぜ起こるかを研究した訳です。
ゼリンスキーの提唱する5つ人口不均等要因
ゼリンスキーは、
- 自然環境
- 経済作用
- 社会文化
- 自然災害と人災(戦争など)
- 社会的・政治的決定
の5つが人口が偏る原因だと、
定義しました。
この5つの要因は、
あらゆる地域でリンクしており、
それは現在だけが理由ではなく、
歴史地理学的にも、
将来の予測も関係しています。
将来発展しそうな地域に、
人は住みたいと思っていますし、
そのような発展しそうな地域は、
「ローマは一日にして成らず」で、
すぐさまできる訳じゃないからです。
①自然環境要因
自然環境は大きく分けて、
- 居住不能地域(アネクメーネ)
- 外部限界
- 永続的居住可能地域(エクメーネ)
の3つに分類されます。
砂漠、氷、エベレストの頂上、海の上、
で生活するのは難しいですね?
人々が生活するためには、
水と食べ物と居住環境の3つは必要ですし、
しかし、
環境要因は住めるか住めないかの要因で、
エクメーネ内の人口の偏りにはあまり影響を与えません。
②経済作用要因
エクメーネの人が住める環境では、
人口の偏りには経済要因が大きくなります。
人口の数とその地域性が、
独自の文化を形づくっていきます。
その地域性は2パターンに分類されます。
①資源要因で人口が決定するパターン
主に1次産業がメインの地域では、
その仕事の資源量によって、人口が決定します。
たとえば、漁業がメインの地域では、
捕獲できる魚の数によって、
林業がメインの地域では、
収穫できる木の本数によって、
農業がメインの地域では、
田んぼの数によって、
鉱業がメインの地域では、
とれる鉱山によって、
一次産業がメインの地域では、
人口数は決定されます。
②市場経済によって地域が形成されるパターン
主に2次産業や3次産業など、
生産→流通→消費
という経済システムが作られているパターン。
経済的交換の関係が、
メイン産業の場合は、
その地域が
他のものと交換できるパワーによって、
人口が決定されます。
たとえば、
テレビが作れる地域であれば、
そのテレビの価値で、
他の価値あるものと、
交換できる量で、
人口数は決定されます。
③社会文化要因
その経済要因を決定するのは、
じつは社会文化要因です。
その地域の特性が、
経済行動に影響を与え、
人口学的特徴にも影響を与えます。
たとえば、結婚時の配偶者の年齢と年齢差。
今でもたとえば、晩婚化が進む先進国の中でも、
農村部の方が平均結婚年齢は早いですし、
先進国と発展途上国では、発展途上国の方が平均結婚年齢は若いです。
でも、発展途上国でも大卒で都会暮らしの場合は、
平均結婚年齢は上がってきています。
たとえば、これは政治要因もありますが、
一夫一婦制の国と一夫多妻制の国でも配偶関係により人口動態は変動します。
一夫多妻制の国の方が人口の出力数(アウトプット数)は多いです。
さらに、
人間は快適さが重要です。
ブラック企業からホワイト企業の方に人が移るように、
人間は住みやすい環境に移動する傾向があります。
世界1位の経済大国のアメリカ合衆国であったとしても、
温暖で住みやすい国内のサンベルト地帯への人口移動が見られます。
④災害による移動(自然災害や戦争)
自然的災害や社会的災害(戦争やダム等)でも、
人間たちが意図的に人口移動を決めることもあります。
災害は特定の場所、特定の地域で起きます。
たまたま起こった災害もあれば、
意図的に起こった災害もあります。
たとえば、記憶に新しいのは、
福島第一原発事故ですね。
あれも、津波対策をしてなく、
地下型の原発だったため、
起こるべくして起こった災害ですね。
- 地震
- 洪水
- 台風
- 大雨
- 戦争
- 強制移動
- 難民化
- 人口政策
- 地域開発政策
- 資源開発政策
等が災害の例である。
まとめ
これがゼリンスキーの考える
地理的要因の人口移動です。
PV数の量で、
需要がある記事だと判断すれば、
また続きを作成します。
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